朗読ボランティア 「杜の音通信」 (8月号)

  
朗読メンバーブログ [posted:2015.09.01]

  
  
昨年の9月から、月1回のペースで 「朗読ボランティア」 に伺っている 「ギャラリー杜の音」
8月は、以下の作品を朗読しました。


① 宮部 みゆき 作 「幻色江戸ごよみ」 より 「小袖の手」
② 解説 「言霊信仰」 と 「大和言葉」
③ 夫から妻へ~妻から夫へ 「60歳のラブレター」


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① 宮部 みゆき 作 「幻色江戸ごよみ」 より 「小袖の手」


「幻色江戸ごよみ」 は、下町の人情と怪異を一カ月一話という形で綴る十二話。
「こよみ」 とタイトルについているだけあって、江戸の四季折々が巧みに作中に取り込まれた、
ちょっぴり怖くて、時に切ない作品集です。


元々 「小袖の手」 は、鳥山石燕の妖怪画集 『今昔百鬼拾遺』 などの江戸時代の古書にある 「日本の妖怪」 で、
死んだ女性が生前着ていた着物の袖口から手が出るという 「怪異」 ですが、
これが、宮部みゆきの手にかかると、まさしく "ミヤベ・ワールド" になります。


小袖.jpg 小袖 江戸.jpg


娘が古着屋から買ってきた 「小袖」 を見て、「とびきり安くて良い物があった」 と喜ぶ娘に、
母親が 「古着には気をつけなければならないよ」 と、自分の子供の頃の体験談
「小袖にとりつかれた男の話」 を語って聞かせるという筋立てになっています。


杜の音 多田さん.jpg


今回は、ASAMIさんが一人読みをしてくれましたが、読み手自身 「楽しんで読めた」 というだけあって
皆さん、息をのむようにじっと聞き入って下さり、読み手と聞き手の一体感が伝わってきました。
単なる 「怖い話」 ではなく、母親の娘への愛情がちゃんと伝わる朗読だったと思います。


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② 解説 「言霊信仰」 と 「大和言葉」


1作目の 「小袖の手」 をうけて、古代の人々が信じていた 「言霊信仰」 と、
日本の風土の中で生まれた、柔らかく美しい表現 「大和言葉」 について、長野が以下のような解説をしました。


日本では昔から 「物には魂が宿る」 と考えられ、「人形供養」 や 「針供養」 などの習わしがありますが、
更に 「言葉にも霊力が宿る」 と考える 「言霊信仰」 があって、
「美しい心から生まれる正しい言葉は、その言葉通りの良い結果を実現し、
逆に、乱れた心から生まれる粗暴な言葉は災いをもたらす」
と信じていました。


この 「言霊信仰」 のなごりは現代にもあって、
例えば 「結婚披露宴」 などのお祝いの席では 「別れる」 「離れる」 「切れる」 「割れる」 「壊れる」 などを
縁起の悪い言葉と捉え 「忌み言葉」 として使いません。
宴の終わりは 「発展する」 イメージに通じる 「おひらき」 という言葉を使い、文字も 「御披良喜」 などと記します。


これは 「前向きで、美しく、優しい言葉を使っていると、物事がいい方向に向かっていく」 という意味で
私が提唱する 「ポジティブシンキング」 「ポジティブトーキング」 にも繋がっています。


そうした中で今注目されているのが、日本の風土の中で培われた、柔らかく美しい 「大和言葉」 です。
今回は、相手の体調を気遣う気持ちがより一層伝わる 「お身体をお厭いください」 という言葉を紹介しました。


これは 「御身大切に」「お身体をご自愛ください」 と、意味はほとんど同じですが、
相手の身体を思いやる気持ちがより一層伝わります。


日本人自身が育んできた、柔らかい響きを持つ 「大和言葉」
奥行きのある表現として、身に付けたいものですね!


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③ 夫から妻へ~妻から夫へ 「60歳のラブレター」


この 「60歳のラブレター」 は、2000年11月22日 (いい夫婦の日) に、
ご夫婦間のラブレターを、はがき1枚に綴る応募企画としてスタートしたもので
これまで、10万通以上の作品が全国から寄せられています。


どの作品にも、夫婦間の固い絆や、普段なかなか口に出せないご家族への感謝の気持ちなど
愛情あふれる思いが綴られ、それぞれのご夫婦、ご家族の歩んでこられた道のりや、情景が浮かんできます。


今回は、7編を音楽にのせて、長野と松本さん、田中さんで紹介しました。


杜の音8月.jpg


ボランティア終了後、松本さんから、次のような感想が寄せられました。
「少々照れくさかったのですが、読み始めると皆さんそれぞれ想いがあるのですね。
涙ぐんだり手を叩いて笑って下さったりで、こちらの気持ちがグン!と引き上げられました。 ライブ感を実感しました」


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、
「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」
「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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