朗読ボランティア 「杜の音」 通信 (H28年 10月号)

  
朗読メンバーブログ [posted:2016.10.25]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
10月は、以下の5作品を朗読しました。


① 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「6歳」
② 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「29歳」
③ 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「79歳」
④ 田島 征三 作 「しばてん」
⑤ 矢野 竜広 作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」

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① 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「6歳」  (朗読:小笠原 清子さん)

この作品は、人生の折々に登場する一本の 「口紅」 を通して、一人の女性の 「生き方」 を描いた 「短編小説」 です。
昨年のステージ・アップの朗読会で、ダイジェスト版を朗読したところ、好評を頂いたもので、
それを受けて今年は、朗読メンバー8人で、全編をお届けすることになりました。


口紅のとき 本.JPG 口紅のとき.jpg


12月の公演に先駆けて、今回読ませて頂いたのは、鏡に向かって口紅をぬる母親のうしろ姿を見て、
「母が知らない人のようで、自分を置いてどこかに行ってしまいそうでこわい」 と思う 「6歳」 のとき。


2016  10月 小笠原さん.jpg 6歳.jpg


「好きなこと」 と 「きらいなこと」 だけで成り立っていた 「6歳」 のときを、小笠原さんが、瑞々しく演じてくれました。


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② 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「29歳」   (朗読:野呂 光江さん)


続いては、同じく 「口紅のとき」 から、結婚をまじかに控えた 「29歳」
自分の理想を、互いの両親にことごとく却下され、途中から 「貝になる」 というストーリー。


2016 10月 野呂さん.jpg 29歳.jpg


今回は、野呂さんがメリハリのある朗読で、聞かせてくれました。
お客様から 『主人公の思いがハッキリと伝わってきて話に引き込まれた』 という感想を頂きました。


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③ 角田 光代 作 「口紅のとき」 より 「79歳」   (朗読:八幡 靖子)


続いては、老人ホームに入所して、月に1度訪れる家族にも、ホームの人たちにも心を閉ざし、一日中黙っている 「79歳」
そんな彼女が、デイケアの 「メイクスタッフ」 から手渡された 「一本の口紅」 を糸口に、
自分の人生を振り返り、「言葉」 を取り戻すというストーリー。


2016 10月 八幡さん.jpg 79歳.jpg


作品の中で、一番好きなセリフは


「皺の一本一本に、しみのひとつひとつに、私の過去がある。
私の過ごしてきた日々は、すべて私の顔のなかにある」 


「自身の年齢に近いこともあり、自然に役に沿うことができた」 という八幡さん。
お客様の年齢にも近いこともあってか、皆さんじっくりと聞き入ってくださいました。


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④ 田島 征三 作 「しばてん」   (朗読:堀 多佳子さん)

しばてん.jpg


カッパに似た化け物 「しばてん」
その生まれ変わりといわれた太郎のたどる運命を、深いペーソスをたたえながら描いています。

自分に都合のいい時は受け入れ、都合が悪くなると突き放す。立場の強い人間の一声で動かされる。
本当は自分も荷担したのに、誰かのせいにして知らん顔。そういった人間の身勝手さ、愚かさが描かれています。


テーマが重く、絵も決して 「カワイイ」 とはいえないけれど、田島征三氏の 「あとがき」 にもあるように、
「初めて読んだ時に作品の訴えることがわからなくとも、こういう作品を伝えていく必要がある」
本当にそう思います。


2016 10月 堀さん.jpg 堀さん.jpg


今回は、小学校で読み聞かせをしている堀さんが、本領を発揮してくれました。

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⑤ 矢野 竜広 作  「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 (朗読:全員で)

「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。

そこに日常があった.jpg


「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「この詩のコピーを部屋の壁に貼っています」 という方もいて、
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 とおっしゃって下さいました。


2016 10月 見学.jpg


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、
「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」
「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


2016 10月 全員.jpg


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