朗読ボランティア 「杜の音通信」 (令和2年1月号)

  
長野淳子 [posted:2020.01.30]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
64回目 を迎えた令和2年1月は、以下の4作品を朗読しました。


① サン=テグジュペリ :作 「星の王子さま」 より
② 高草 洋子 :作 「びんぼう神様さま」
③ 長谷川 摂子 :作 「てのひらむかしばなし」 より 「うばのかわ」
④ 向田 邦子 :作 「父の詫び状」 より 「昔カレー」


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① サン=テグジュペリ :作 「星の王子さま」 より  (朗読:円田 さち子さん)


サハラ砂漠に不時着した飛行士と、
本当のことしか知りたがらない 「星の王子さま」 とのふれあいを描いた、永遠の名作。


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『星の王子さま』 は、フランス人作家 サン=テグジュペリ が1946年に出版した 「Le Petit Prince」
日本語訳し、1953年に出版されたものです。
これまで80ヶ国以上で翻訳され、6000万部以上販売されている、聖書に次ぐベストセラーとなっています。


星巡りの放浪に出る王子さま

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旅に出た王子さまは、星の見物をはじめます。なにか仕事をさせてもらって、勉強しようというわけです。
それぞれの星で出会うのは、子供目線からすると奇妙な大人たちばかりで、反面教師の対象として寓話的に描かれています。
つまり我々の地球上で実際に存在する、大人や仕事像を揶揄していると思われる人たちが登場し、
その人たちを子供目線で批判しているのです。


『実業屋の星』

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王子が行った四番目の星は、「実業屋の星」 でした。
その男はたいへん忙しかったので、王子さまがやってきても頭をあげようともしません。
その男は金持ちになるために星の数を数えて、自分のものにしているのでした。
男の理屈では、誰のものでもない星は、一番に 「持とう」 と考えるだけでその星を自分のものにすることができるというのです。


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今回は、円田さんが、「王子」 と 「実業屋」 の声をうまく使い分けて、読んでくれました。
杜の音の皆さんも、「サン=テグジュペリ」 の世界を、楽しんでくれたようでした。


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② 高草 洋子 :作 「びんぼう神様さま」   (朗読:松高 玲子さん)


びんぼう神様さま.jpg


粗末な板切れの神棚に寝そべりながら、びんぼう神はフウーとため息をついた。

なんでわしは、神様って呼ばれるんじゃろう?


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びんぼう神様は、自分が来たことでその家が貧乏になっていくのが楽しみで、
貧乏への不平不満、愚痴を聞くのが大好きじゃった。
ところがどうじゃ!この家のもんときたら・・・・・


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松吉夫婦の家は、びんぼう神様のせいで貧乏になってしまったのに、いつもにこにこ。
挙句の果てに、神棚まで作ってびんぼう神様を祀り始める始末。
「なんで嫌われもんのわしを?」 不思議がるびんぼう神はやがて・・・・・


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『お金=幸せ』 という公式が現代人の頭の中に刷り込まれている現代社会で、
この本の内容はその公式を根底から覆す本だと思います。
あらためて、人生の豊かさとは何かを考えさせられる一冊です。


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今回は、この作品の導入部分を、松高さんが興味をそそるように読んでくれました。
杜の音の皆さんも、物語の展開を楽しそうに聴き入ってくれました。次回、この続きをどうぞお楽しみに!!


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③ 長谷川 摂子 :作 「てのひらむかしばなし」 より 「うばのかわ」   (朗読:田中 憲子さん)


うばのかわ.jpg


恐ろしい大蛇のところへ嫁にいく難をのがれ、ひとりきりになった娘。
行く道をまもってくれたのは、年寄り婆のくれたふしぎな皮でした。
娘のまっすぐな心が、細やかな情景描写のなかに描きだされます。


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じいさまが、おろちに飲まれそうな 「ひき蛙」 を助けます。おろちの交換条件は、三人娘の一人を差し出すことでした。


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一番下の娘が大蛇の嫁になることになるのですが、娘の知恵と勇気で大蛇を退治します。


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じいさまに命を助けてもらった ひき蛙 から、お礼に 「うばのかわ」 をもらった娘は、山賊から逃れることが出来ました。


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そして、長者の息子に一目惚れされた娘は 「姥の皮」 を脱ぎ、二人は幸せにくらしましたとさ。めでたしめでたし。


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日本昔話の味わいと、シンデレラのようなロマンチックな話が一つになった物語を、
今回は、田中さんが表情豊かに語ってくれました。杜の音の皆さんも、じっくりと耳を傾けて下さいました。


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④ 向田 邦子 作 「父の詫び状」 より 「昔カレー」   (朗読:長野 淳子)


子供の頃に食べた 「カレー」 の思い出や、学生時代に下宿先で食べた 「けったいなカレー」
「カレーライス」「ライスカレー」 の違いについてなど、「カレー」 にちなんだエッセイ。


父の詫び状.jpg 向田さん.jpg


思い出はあまりムキになって確かめないほうがいい。

何十年もかかって、懐かしさと期待で大きくふくらませた風船を、

自分の手でパチンと割ってしまうのは勿体ないのではないか。


向田さんの家族写真.jpeg


読み終わった後、お客様から

「私の家も、コマ切れの入った、うどん粉で固めたようなカレーでした」
「向田さんの作品には、懐かしい思い出がたくさん出てきていいですね」

という感想を頂きました。


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「朗読ボランティア」 がある日にデイサービスの日を変更する方もいる・・・

今回、担当の方から嬉しいお声を頂きました。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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