朗読ボランティア 「杜の音通信」 (令和2年7月号)

  
長野淳子 [posted:2020.07.30]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」


DSC_1065.JPG


68回目 を迎えた令和2年7月は、以下の3作品を朗読しました。


① 木村 裕一 : 作 「あらしのよるに」 より 「まんげつのよるに」
② 川端  誠 : 作 ・ 絵 落語絵本 「てんしき」
③ 角田 光代 : 作 「彼女のこんだて帖」 より 「かぼちゃの中の金色の時間」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


① 木村 裕一 : 作 「あらしのよるに」 より 「まんげつのよるに」  (朗読 : 野呂 光江)


350_ehon17693.jpg


あらしのよるに、真っ暗な小屋で出会った、オオカミのガブヤギのメイ
食べる者と食べられる者という宿命を超えて芽生えた堅い友情。仲間を捨てて逃避行に走った二人でしたが・・・


DSC_1341.JPG


雪崩に巻き込まれたガブを思い、ひとりたたずむメイ。

『あざやかなきぎのみどりや、いろとりどりのはなにかこまれていても、メイのこころははいいろだった。

かがやいていたはずのみどりのもりに、ガブがいないのだ。』


DSC_1352.JPG


あの山を揺るがすほどの、大きな雪崩の恐ろしさは、

ガブの心から、それまでのことをすべて奪ってしまった。

自分が誰なのかも、ガブは覚えていないのだ。


DSC_1354.JPG


オオカミのガブとヤギのメイがたどりついたのは希望の森か、それとも哀しみのはてなのか――。
この最新刊では、まさに意表をつく展開にまたドキドキハラハラさせられます。


DSC_1367.JPG


あらしもふぶきも去った まんげつのよるに、静かな時間が流れ、物語はラストへ!


DSC_1369.JPG


ガブとメイのつむぐ物語は、人間世界の住人に、大切なコトを気づかせてくれます。
誰かを想う気持ちがどれほど尊いかを・・・そしてそれは、自分の心をやがて暖めることを・・・


DSC_1380.JPG DSC_1373.JPG


このシリーズを、1作目から続けて朗読している野呂さん。
今回も、「ガブ」「メイ」 の声をうまく使い分けて、臨場感たっぷりに読んでくれました。
杜の音の皆さんも、ハラハラ・ドキドキ 手に汗握りながら楽しんで下さったようです。


★野呂さんの感想
 

「あらしのよるに」 シリーズ いよいよ最終回 『まんげつのよるに』
初回を読んだのは、いつだったか?と改めて振り返ってみたら、2017年の6月。
自分が伺えるタイミングやコロナの影響などもあり、なんと3年もの月日がかかりました。


全ラインナップ
①「あらしのよるに」 ②「あるはれたひに」 ③「くものきれまに」 ④「きりのなかで」 
⑤「どしゃぶりのひに」 ⑥「ふぶきのあした」 ⑦「まんげつのよるに」


このシリーズは、いくら間が空いても、どこから読んでも、最初から聞いていた人にも、初めて聞く人にも、
年代を越えて楽しめる名作だと思いました。読み聞かせをする人に是非お勧めしたい作品です。


それを実感できたのは、今回終了時にお客様から
「オオカミとヤギのお話、覚えてましたよ!楽しかったです!」 とお声をかけて頂けたこと。


自粛期間中、誰もがきっと感じていた、『やりたい事が思うようにできない』 というジレンマ。
私にとっては 『表現で人を楽しませる』 事ができなかったのも、その1つでしたが、
私にとってステイホーム明け初めてとなった、この 「杜の音朗読ボランティア」 は、自分に活力を甦らせてくれました。


今、世の中では表現者の発表の場が削られたりと悲しい状況がありますが、
この様に皆様に朗読をお聴き頂ける場所がある事は、大変有難いことです。
次回は、又新たに読みたい作品を考え、お持ちする事が楽しみです。 (野呂光江)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


② 川端 誠 : 作 ・ 絵 落語絵本 「てんしき」   (朗読 : 田中 憲子さん)


落語好きには有名な 「てんしき」 が、川端誠さんの絵本になりました!


350_Ehon_123289.jpg


お腹の具合がわるくて医者にみてもらった、お寺の和尚さん。
医者に 「てんしきはありますかな」 と聞かれますが、何のことだかわかりません。
つい知ったかぶりをして 「てんしきはありません」 と答えてしまいます。


4041079861_20190305181528_op1.jpg


さあ、気になった和尚さん、小坊主の珍念さんを呼び、「てんしきをかりてきなさい」 と言いつけます。
何だかわからないものを、かりてこい、と言われて困ってしまった珍念さん。
花屋や石屋のおやじさんに、「てんしきあったら、かしてください」 と言いにいきますが......。


DSC_1316.JPG


てんしきって、床の間に飾っておくもの? みそ汁に入れて食べるもの?
いえいえ、実はそんなものではないんです!(笑)


DSC_1321.JPG


「知らない」 と言えない大人たちと無邪気な珍念さん、医者との間に繰り広げられる、へんてこなやりとり。
最後のオチには、思わず笑ってしまいます。


DSC_1337.JPG DSC_1384.JPG


日本語の楽しさや、つい知ったかぶりをしてしまう人間の妙味が、存分に伝わってくる落語絵本を、
今回は、田中さんが実に楽しく語ってくれました。
杜の音の皆さんも、さいごのオチのところでは、声を出して笑って下さいました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


③ 角田 光代 :作 「彼女のこんだて帖」 より 「かぼちゃの中の金色の時間」   (朗読:長野 淳子)


414eGcmhD2L._SX347_BO1,204,203,200_.jpg


舌にも胃袋にも美味しい料理は、幸せを生み、人をつなぐ。
食にまつわる14話の短編集で、それぞれの登場人物が、全作品を通して何かしら関わり繋がりがある、連作になっています。


かぼちゃの黄金蒸し.jpeg DSC_1417.JPG


巻末には、エピソードに出て来る料理のレシピも載っていて、料理のイメージも楽しめます。


DSC_1391.JPG DSC_1378.JPG


今回は、離婚して女手一つで息子を育てた母親が、息子の誕生日に作っていた 「かぼちゃの宝蒸し」 を、紹介しました。
杜の音の皆さんも、心に残る手料理を思い出しながら聞き入って下さいました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


DSC_1397.JPG


毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「チーム杜の音」 関連記事


◆「杜の音通信」(R2年1月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-12.php
◆「杜の音通信」(R2年2月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-21.php
◆「杜の音通信」(R2年3月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-23.php
◆「杜の音通信」(R2年6月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-26.php


◆「杜の音通信」(H31年1月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-311.php
◆「杜の音通信」(H31年2月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-312.php
◆「杜の音通信」(H31年3月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-313.php
◆「杜の音通信」(H31年4月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-314.php
◆「杜の音通信」(R1年5月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-5.php
◆「杜の音通信」(R1年6月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-6.php
◆「杜の音通信」(R1年7月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-7-1.php
◆「杜の音通信」(R1年8月号) https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/post-121.php
◆「杜の音通信」(R1年9月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/post-122.php
◆「杜の音通信」(R1年10月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-10.php
◆「杜の音通信」(R1年11月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/post-123.php
◆「杜の音通信」(R1年12月号)https://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-112.php