朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H31年4月号)

  
長野淳子 [posted:2019.04.20]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
平成31年4月は、以下の4作品を朗読しました。


① 西本 鶏介 :作 「日本の物語絵本」 より 「姨捨山」
② 佐藤 愛子 :作 「九十歳。何がめでたい」 より 「過ぎたるは及ばざるが如し」
③ 江國 香織 :作 「とっておき作品集」 より 「ラブ・ミー・テンダー」
④ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」


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① 西本 鶏介 :作 「日本の物語絵本」 より 「姨捨山」   (朗読:田中 憲子さん)


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口減らしのために、老人を山へ捨てる 「姥捨山」 の物語。


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親をなくした子をひきとって、育てあげた 姨母


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嫁も迎え、貧しいながらも家族で暮らしていましたが、いつしか歳をとり、邪魔にされるようになってしまいます。


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とうとう息子は、姨母を捨てようと山へ向かいます。


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一旦は、姨母を山へ置き去りにした息子でしたが、これまでの姨母とのことを思い


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姨母を連れ戻しに、再び山へ行きます。


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息子によって連れ戻された姨母は、その後家族と一緒に幸せに暮らしたということです。


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人の心には 「鬼」「仏」 も住んでいるのだと感じます。

年老いていく姨母を、疎ましく思う 「鬼の心」
そして、親を失った自分を、身を粉にして育て上げてくれた姨母を思う 「仏の心」

息子の心に残っていた姨母に対する思いが、物語の怖さから救い出してくれました。


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今回は田中さんが、昔話の世界観を、しっかりと伝えてくれました。
狩野富貴子さんの絵もとてもいいので、杜の音の皆さんにも見て頂きました。
皆さん、じっくりと聴き入って下さいました。


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② 佐藤 愛子 :作 「九十歳。何がめでたい」 より 「過ぎたるは及ばざるが如し」  (朗読:八幡 靖子さん)


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大正12年生まれの大作家 佐藤愛子さん。
『九十歳。何がめでたい』 というタイトルには、ご本人曰く 「ヤケクソが籠っている」

自分の身体に次々に起こる 「故障」 を嘆き、時代の 「進歩」 を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく 「鼓舞」 する。

自ら災難に突進する性癖ゆえの、艱難辛苦を乗り越えて生きて来た、佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章には、
人生をたくましく生きるための 「金言」 も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。


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今回は、進化し過ぎる 「トイレへの怒り」 を綴った 「過ぎたるは及ばざるが如し」 を、
八幡さんが 「 自分の事として」 語ってくれました。
杜の音の皆さんも 「わかる。わかる」 と、笑いながらうなずいていました。


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③ 江國 香織 :作 「とっておき作品集」 より 「ラブ・ミー・テンダー」   (朗読:松高 玲子さん)


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「私」 の母は、エルヴィス・プレスリーを熱愛しており、それが原因で父とたびたび離婚騒ぎを起こすほどだった。

ある日、母と電話で話していると 「エルヴィスから毎晩電話がかかってくる」 と言い出した。

心配になった 「私」 は父母の家に様子を見に行き、本当に電話がかかってくるのか確かめることにした。

結局十二時半まで待っても電話はかかってこず、「一万回ぐらい溜め息をつきたい気分」 で自宅に戻ることにして車に乗った。

そして大通りに出て 「私」 が目にしたものは・・・・・


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読み終わった後、何ともほのぼのと心が温かくなる物語を、
杜の音2回目の参加の松高さんと、長野が2人で読み分けました。

今回はいずれも、年齢を重ねることへの 「切なさ」 や 「愛しさ」 を綴った作品でしたが、
杜の音の皆さんも、ご自身と重なるところもあるのか、ほっと笑ってふっと涙ぐんでといった感じでした。


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④ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 (朗読:全員で)


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「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。


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「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 という方もいて、
「お友達にもコピーしてプレゼントしました」 とおっしゃって下さいました。


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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