「女性のための朗読会」~すべての方に感謝を込めて~ (長野淳子)

  
長野淳子 [posted:2021.01.30]

2020年 12月 15日 ㈫ 「女性のための朗読会」 が、無事開催されました。


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新型コロナの影響で、「今年は朗読会の開催をは無理」 と 諦めてかけていたところ、
宮城県シルバー人材センター連合会 様 からご依頼を頂き、出演の運びとなったもので、
ご依頼を頂いた電話口で、私は嬉しさのあまり泣いてしまったほどです。


本番までの時間がタイトでしたので、今回は、これまで上演した作品の中から、
特に好評だった作品 を選び、出演者 が決まりました。


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2カ月間の稽古を重ね、迎えた当日・・・・・


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私は自称 「晴れ女」 なのですが、なんとこの冬初めての 「雪模様」


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交通機関の影響などもあり、途中で来場を断念したというお客様もいらっしゃったと聞きました。
「もしかしたら、スタッフの方が多いのでは?」 という心配をよそに、
たくさんのお客様にお越し頂きました。本当にありがとうございました。


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手指消毒、検温、マスク着用、一人おきの座席着席、私語はなしで と、
コロナ感染対策を万全にして、いよいよ第一部のスタート!


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はじめに、多賀城市シルバー人材センターの 鈴木四郎 理事長から挨拶 を頂き、
続いて、栗田恵 業務係長から シルバー人材センターの紹介 を頂きました。


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15分の休憩をはさんで、野呂光江さんの司会で、第二部の「女性のための朗読会」 がスタート!!
今回は、これまで 特に好評だった5作品 を選びましたが、私は初めて全部の作品に出演しました。


★ 「君へ。」 ~つたえたいきもち三十七話~ より (田口ランディ・重松清)

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「コミュニケーション」 をテーマに、37人の作家がエピソードを綴った作品集から、
無言電話に悩まされる男性の 「朝」 を描いた 「モーニング・コール」 を、小笠原清子さんが。(彼女は、今回もトップバッター)
私は、九州の地方都市に都落ちした、単身赴任の男性の 「朝」 を描いた 「朝日が向かっています」 を、読みました。


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この作品は、2019年の12月の、ステージ・アップの朗読会で取り上げたもので、
どちらも 「朝の風景」 を描いたものになっているのに、改めて気づきました。
もしかしたら、何の憂いもない清々しい朝を迎えたいと、心のどこかで思っていたのかもしれません。


★ 「彼女のこんだて帖」 より 「豚柳川できみに会う」 ( 角田光代)

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妻を亡くした中年の男性が、料理教室に通って 「妻の手料理」 を再現しようとする物語。


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この作品も、2019年に取り上げたもので、今回は 佐藤稔さん が 読んでくれました。
丁度、年齢が作品に合っていて、好評を頂きました。私は、亡くなった 「奥さんの声」「カゲアナ」 で出演しました。
ちなみに、稔さんの奥様はとてもお元気で、当日も会場にお越しくださいました!ありがとうございます!


★ 「アイウエオの陰謀」 より 「人体の言い分」  (東海林さだお)

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「身体の臓器が集まって、日頃の鬱憤を晴らす」 という、なんともシュールな作品。
この作品は、2017年の朗読会で上演しています。


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●「たまには休みがほしい!」 と嘆く 「心臓」 を、円田さち子さん
●「日本人の胃は予測がつかない!」 と主張する 「胃」 を、小笠原清子さん
●「とにかく自分の力で動きたい!」 と切望する 「歯」 を、野呂光江さん 
●「いやあ暇ですね!」 とあくまでもマイペースな 「眉」 を、私 長野淳子が演じました。

4人の個性が、遺憾なく発揮されて、楽しい朗読になりました。


★ 「父の詫び状」 より 「子供たちの夜」  (向田邦子)

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宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞...
だれの胸の中にもある 「父のいる懐かしい家庭の息遣い」 を、見事に描き出したエッセイです。


今の時代では珍しい厳格な父親と娘の織り成すエピソードに、親子の愛情が垣間見えほのぼのとさせられます。
家族関係が希薄になってきている今の時代にこそ読みたい作品です。


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「子供の頃はよく夜中に起こされた。父が宴会から折詰を持って帰ってくるのである」
「宴席で手をつけなかった口取りや二の膳の物を詰めてくるのだろうが、今考えてもなかなか豪勢なものだった」
「鯛の尾頭つきをまん中にして、かまぼこ、きんとん、海老の鬼がら焼や緑色の羊羹まで入っていた」


この光景は、まさしく小さい頃の 「我が家の光景」 そのものです。
ちなみに、我が家の折詰に入っていたのは、「緑色の羊羹」 ではなく 「緑色の寒天」 でした。


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「夜中に起こされる時の子供たちのいでたちというのが、全員パジャマの上に毛糸の腹巻なのである」


我が家でも 「パジャマの上に毛糸の腹巻」 でした。それも子供たちだけではなく、家族全員でした。
そしてやはり冬の夜は 「湯タンポ」 でした。


「湯たんぽは、古くなった湯上りタオルで包み、丁寧に紐でゆわえるのである」
「湯たんぽは翌朝までホカホカとあたたかかった」
「夜が更けるとどの家もシーンとしていた。飛んでくる蚊も、音はハッキリ聞こえた」


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どれもがみな、私自身の子供の頃の記憶と重なり、13年前に亡くなった父を思い出しながら、懐かしい想いで読みました。
会場の皆さんも、同世代の方が多かったようで、笑いながら頷き、そしてそっと目頭を押さえながら聞き入って下さいました。


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直木賞を受賞した翌年、51歳でこの世を去った向田さん。2021年で 没後40年 になります。
残念ながら、向田さんの新しい作品はもう発表されることはありません。
ならばせめて今ある向田作品を、1人でも多くの人に読み伝えていきたい。私はそう思っています。


★ 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」  (矢野竜広)

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「太陽がのぼること~」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 と結ばれます。


ステージ・アップの朗読会や、朗読ボランティアなどでいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。
今年も、全員で声を合わせて読みました。


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この詩は、2011年のあの震災を経験した私たちにとって、何度読んでも胸に迫るものがありますが、
今回はまたひとしおの感がありました。
会場の全員の方と声を合わせて読んだ時、全員の心が一つになったように思いました。


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今回の朗読会は、宮城県シルバー人材センター連合会の主催 ということもあり、
地元紙 「河北新報」 の取材を受けました。


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お花やお菓子など、楽屋見舞い の差し入れもたくさん頂きました。ありがとうございました。


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応援のお葉書 なども、いただきました。ありがとうございます!!


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出演者 も、それぞれの持ち味をいかんなく発揮してくれました。(この人たちは、本当に本番に強い!!)


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多賀城市文化センターのスタッフの皆様宮城県シルバー人材センター連合会の皆様、お世話になりました。


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コロナ禍の中、朗読会を開催できたことは、「奇跡」 だと思っています!!
この朗読会を支えて下さったすべての方々に、心から感謝します。 (長野淳子)


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