朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H29年10月号)

  
長野淳子 [posted:2017.10.25]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
10月は、以下の4作品を朗読しました。


① 斎藤 隆介:作・諸橋 精光:絵 「紙芝居 モチモチの木」
② 川端 誠 :作・絵 落語絵本 「めぐろのさんま」
③ 藤沢 周平 :作 「江戸おんな絵姿十二景」 より 「十三夜」
④ 向田 邦子 :作 「父の詫び状」 より 「子供たちの夜」


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① 斎藤 隆介:作・諸橋 精光:絵 「紙芝居 モチモチの木」   (朗読:八幡 靖子さん)


紙芝居 モチモチの木.jpg


豆太は、爺さまとふたり、峠のりょうし小屋に暮らしていました。五つになっても、夜中にひとりで小便にも行けない臆病な豆太。
ところが、ある夜、大好きな爺さまが倒れて、豆太は寒い夜道を、ひとり泣きながらふもとの医者さまを呼びに行きます。
その帰り道、豆太が見たものは......。


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豆太と爺さまの心の交流を軸に、勇気とはなにか、本当のやさしさとはなにかを、
豆太の心の成長をとおして描いています。

 


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今回は八幡さんが、豆太の可愛らしい様子を、とても上手く表現してくれました。
杜の音の皆さんも、紙芝居を見ながらニコニコと聞いて下さいました。


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② 川端 誠 :作・絵 落語絵本 「めぐろのさんま」  (朗読:田中 憲子さん)


目黒のさんま ①.jpg


お殿さま一行が馬を駆り、ひなびた里へさしかかったお昼どき、さんまの焼けるにおいが漂ってきます。
殿さまは鼻をピクピク 「さんま?それはなんじゃ」。
はじめて口にし 「さんまとは美味」 「目黒は、よいのう。かわりをもて!」 とご満悦。


目黒のさんま ②.jpg


城に帰っても、目黒で食べた、あのさんまの味が忘れられません。
そこで、無理をいい、ようやく、口にしたさんまとは!?


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今回は、愉快なお話が得意の田中さんが、楽しそうに読んでくれました。
杜の音の皆さんも、声を出して笑っていました。


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③ 藤沢 周平 :作 「江戸おんな絵姿十二景」 より 「十三夜」   (朗読:三浦 由子さん)


江戸おんな絵姿 十二景.jpg


江戸の十二カ月を鮮やかに切りとった十二の掌篇「江戸おんな絵姿十二景」
市井の人々の陰翳ゆたかな人生絵図を掌の小品に仕上げた、藤沢周平最後の作品集です。
読んだ後で、その後の展開について、読者の思いが募るような終わり方が、後を引きます。


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今回は三浦さんが、帰りの遅い亭主にじれる 「女心」 を、江戸の情緒と供にしっぽりと読んでくれました。
杜の音の皆さんも、じっくりと耳を傾けて下さいました。


★三浦さんの感想

「十三夜」 は、江戸時代を舞台とした季節感あふれる短編です。
「夫が浮気したのでは?」 と急に不安になる妻の、鏡の前での一人相撲がおかしく、
また、いなせな夫とのやりとりがちょっと色っぽい作品で 「何でもない日常の生活」 が幸せと気づかされます。


今回の長野先生のレッスンでは 「性格から考えるセリフの読み方」 が大変勉強になりました。
私はあるセリフをいかにも意地悪に読んだのですが、
「こういう噂好きの人は、表面的には悪意を気取られないようにする頭の良さがあるから、違う読みになるのでは?」 と先生。
その人間観察力の鋭さに脱帽いたしました。
また登場人物の、年配の女性と若い女性二人のセリフの読み分け方等、多くの課題がありました。


本番前のリハーサルでは 「ちゃ~んと情景を感じて、読んで」 との先生のお声。
本番では 「活け終えたすすきの穂が、月の光を浴びてまぶしく光るのに見とれた」...
気が実際にしましたが、伝わりましたでしょうか?


まだまだの読みでしたが、お帰りになる際に手を差し出してくださる方もいらして、本当に嬉しく思いました。
また、心に残る、心が温かくなるような作品を探し出してお届けしたいと思っております。


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④ 向田 邦子 :作 「父の詫び状」 より 「子供たちの夜」   (朗読:長野 淳子)


父の詫び状.jpg


宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞...
だれの胸の中にもある 「父のいる懐かしい家庭の息遣い」 を、ユーモアを交じえて見事に描き出したエッセイ集。


向田さんとお父さん.jpg


クスッと笑って、ウンウンと頷いて、ほろっと泣ける。
家族関係が希薄になってきている今の時代にこそ読んでほしい作品です。


これほど読む者を惹きつける向田さんの文章力は、やはり凄いのひと言に尽きます。
向田ファンが皆思うことですが、もっともっと長生きしてほしかった!!


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自分の子供の頃を思い出します。
今の時代では珍しい厳格な父親と娘の織り成すエピソードに、親子の愛情が垣間見えほのぼのとさせられます。
杜の音の皆さんは、向田さんと同世代の方が多いので、いつも熱心に耳を傾けて下さいます。


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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