『エイプリルフール』 ついていい嘘・悪い嘘


今朝、新聞の記事の、一つの見出しに目が留まった。

エスカレーターどう乗る? 左立ち○ 右立ち×
全国初 仙台市、条例制定へ


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「 仙台市は1日、エスカレーターでは左側に立つことを義務化する条例案を、
全国で初めて提出する。同日の臨時市議会で可決、即日施行される見込み。
条例化によって、長年にわたる  「右か左か」  の論争に終止符が打たれる。」
(原文のまま)

へえ~こんなことが、条例化されるんだ~ 仙台市も珍しいことをするもんだ!~私はそう思った。


記事は、全国紙の 「宮城」 紙面の4分の1を占める大きなもので、
仙台駅近くのエスカレーターに乗る市民の写真が掲載され、要約すると


エスカレーターの乗り方は 「東京は左側・大阪は右側」 など、地域によって暗黙のルールがあるが
仙台には明確なルールがなく、左右ジグザグになる光景が多く見られる。
「左右どちらに並べばいいのか」 「急いでいる時に前がつかえて困る」 などの声を受けて
全国の状況を調べ、「大都市の身だしなみとして統一しよう」 ということで、
国内で多数派の 「左側ルール」 を採用した。

というようなことが書かれてあった。


まあ~暗黙のルールとしてはどちらかに決まっている方が、混乱しなくていいかも・・・
でも条例化とはねえ~と思いながら、最期まで記事を読み進んで、私は我が目を疑った。
そこには、こう書かれてあった。


「きょうは4月1日、エイプリルフールです。
この 「うそ記事」 で、心にゆとりは生まれたでしょうか。」
(原文のまま)

なんとこの記事は、嘘だったのだ!! 
よく見たら、筆者名は 「 本間かな、有江奈衣 」 とあった。


まんまと騙された。と思いつつ、私はなんだか素直に笑えなかった。


いくら今日が、嘘をついても許される 「エイプリルフール」 だとしても、
「新聞」 がこんな 「うそ記事」 を、こんなにも堂々と掲載していいのだろうか?
「エレベーターの立ち方」 という内容はともかく 「仙台市の条例制定」  にまで話は及んでいる。


確かに冷静に考えれば、「全国初の条例化」 も、「臨時市議会での可決、即日施行」 も
まさしく、「ほんまかな、ありえない」 話なのだが・・・


では、私はなぜこんな荒唐無稽な話を、半信半疑ながらも信じてしまったのだろう。


答は簡単だ。 「新聞 だから」 だ。


私たち読者は、「新聞には正確な情報が載っている」 と思い込んでいる。
まさか、新聞にこんなに堂々と 「うそ記事」 が載るなどとは、思ってもいない。


この記事を読んだ後、私の中で今日の全部の記事の 「信憑性」 が一気にゼロになっていった。
どの記事も最後まで読んだら 「実はこれも、うそ記事でした」  という言葉が載っているのではと、
すっかり疑心暗鬼になってしまった。


私は、まんまと騙されたことが、ただ単に悔しくて、目くじらを立てているのだろうか?
前代未聞のこの 「うそ記事」 を 「エイプリルフールだから大目にみよう」 と笑えない私は
この記事が問うように、心にゆとりがないのだろうか?

そう言えば、誰かが以前言っていた。
「世の中で起きていることの真実を知ろうと思ったら、一社だけの新聞に頼ってはいけない。
各社でそれぞれ様々な事情があるから、扱い方が微妙に違っていることがある。
中には自社に都合のいい記事になっていることもあるから、
出来れば、ひとつの事柄を2~3社の新聞で読み比べてみるといい」 と。


そうだ。そうしてみよう。
もし、別の新聞社の記事にも、同じような 「うそ記事」 が載っていたら
その時は 「まったく世の中も変わったものだ」 と言って、笑おう!!


皆さんは、どう思いますか?
記事を読んで、騙されたのは私だけですか?
皆さんは、すぐ 「うそ記事」 だと見破ることができましたか?
新聞社だけでなく、仙台市や市議会にまで、質問や抗議の電話が殺到していないことを祈るばかりです。
ちなみに、このブログは 「うそ記事」 ではありません。ご安心ください!!念のため!!


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