朗読ボランティア 「杜の音通信」 (令和元年8月号) 

  
長野淳子 [posted:2019.08.30]

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
令和元年8月は、以下の4作品を朗読しました。


① 三浦 哲郎 作 「おふくろの夜回り」 より 「叶わぬ夢」
② かこさとし 作 「矢村のヤ助」 
③ 角田 光代 作 「Presents」 より 「料理」
④ 阿川 佐和子 作 「魔女のスープ」 より 「シンプルジャガ玉」


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① 三浦 哲郎 作 「おふくろの夜回り」 より 「叶わぬ夢」   (朗読:三浦 由子さん)


むかし、太っちょで暑がりのブルドッグを飼っていたころ、

夏休みになるときまって子供たちの間に持ち上がる提案は、

なんとかしてボスをいちど八ヶ岳高原へ連れていきたいというものであった。


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確かで美しい日本語。名文家最後の随筆集。
わずか千文字の中に、故郷である東北の風土やそこで暮らす人々、或いは亡き父母を慕う心が、
まるでデッサン画をみるように確かなタッチで描かれています。


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今回は三浦さんが、日々の暮らしを静かに見つめる作者の思いを、実直に表現してくれました。
杜の音の皆さんも、時にうなずきながらしっかりと聴いて下さいました。


★三浦さんの感想

三浦哲郎さんの随筆は、決して大きな事件が起こるわけではないのに、なぜか惹きつけられるものがあります。
今回の作品もそうで、今のこの季節にぴったりと思い選びました。


当日朝のリハーサルで、長野先生から 「もう少し明るいタッチで」 と指摘されました。
男の人の随筆だから、落ち着いた声でゆったり読もうと思ったのが原因だったようです。


「飼い犬や子どもを可愛いと思う気持ちで読めば伝わるはず」(文章には、どこにも可愛いとは書いていませんが)
先生のおっしゃるように、作者の気持ちを大切にして読んでみました。


自分では充分な声で読み始めたつもりでしたが、まもなく、よく聞こえていない方がいらっしゃることが判明。
さらに声を出して、時々お顔を見ながら、内容を伝えることに専念しました。まさにライブです。
頷きながらしっかり聴いて下さる杜の音の皆さん、大変ありがたく嬉しくなりました。


帰り際、長野先生に 「本番は良かったですよ!」 と、褒めていただきました。
私としては、声を出すことに気が行ってしまい、はたして朗読になっていたか少々疑わしいところもありましたが、
なんとか、中身は伝えられたように思います。


杜の音の皆さんには、三浦哲郎さんの名文に、自分の飼っていたペットのことを思い出したり、
優しい子どもたちの気持ちに和んでいただけたら、幸いです。
お聴きいただき、ありがとうございました。今回も学ぶことの多いボランティアでした。


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② かこ さとし 作 「矢村のヤ助」  (朗読:田中 憲子さん)


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「つる女房」 を基にした、かこさとしさんのオリジナル昔話。


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ある日、ヤ助 は、雪の中でわなに捕まっていた 山鳥 を助けます。


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山鳥は、アカネ という女性となってヤ助の元に現れます。そして二人はめでたく結婚。


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でも幸せな日々は続きません。山に住む にその幸せは脅かされてしまいます。


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鬼を退治するには、山鳥の尾羽 で作った が必要と、アカネは山鳥になり尾羽を残して行ってしまいます。


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ヤ助は鬼を退治しましたが、アカネのいない暮らしは、なんとも切ないさみしさがあるのでした。


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今回は田中さんが、登場人物の声をうまく使い分けて、読んでくれました。
杜の音の皆さんも、じっくりと聴き入ってくれました。


★田中さんの感想

杜の音の朗読ボランティアも、間もなく 60回 を迎えるそうで、月日が経つのは早いものだとつくづく思います。
最近では、新しい朗読メンバーも増え、すっかり古参になってきましたが、
新しい仲間を見るにつけ、ドキドキしながら読んだ初めの頃を思い出します。


杜の音の皆さんは、時に笑い、時に涙して、本当に毎回熱心に聞いて下さるので、嬉しい限りです。
「今日も楽しかったです!また来てくださいね!」 という声を励みに、
これからも頑張って朗読を続けていこうと思います。今回も、ありがとうございました。


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③ 角田 光代 作 「Presents」 より 「料理」  (朗読:木村 知子さん)


女性が一生を生きる中で、出会った人たちから受け取る様々な 「プレゼント」 をテーマにした短編集。


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生まれた時に親からもらった 「名前」

小学校の入学祝いの 「ランドセル」

やがて思春期がやってきて、恋人からの 「初めてのキス」

そして大人の恋をして彼から受け取った 「合鍵」

やがて恋が実って嫁ぐ日の 「ウエディングベール」

浮気をした夫が、罪滅ぼしに誘ってくれた旅先での 「記憶」

そして自分が親となり、嫁ぐ娘から受け取る 「感謝のプレゼント」


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松尾たいこさんの、パステル調の挿画 も素敵です。
「ありがとう」 の心をこめて大切な人に贈りたい、そんな一冊です。


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今回は、杜の音初参加の木村さんが、風邪をひいた主婦が家族に作ってもらった 「料理」 を、一生懸命に表現してくれました。
杜の音の皆さんも、目を細めながら聴き入ってくれました。


★木村さんの感想

今回、杜の音に初めて参加させていただきました。
ゆっくり大きな声で ということを念頭において朗読しました。
風邪をひいているお母さん、そして家族それぞれのセリフを、声を変えて演じられるよう心がけました。


事前の先生とのレッスンで指摘された箇所、注意点など、本番で失敗しないよう意識しすぎたせいで、
少し余裕のない読みだったかもしれません。
でも、杜の音の皆様には暖かい眼差しで聞いていただき、感謝しています。


当日一緒に参加したメンバーそれぞれの朗読も、とても勉強になり、充実した時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。


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④ 阿川 佐和子 作 「魔女のスープ」 より 「シンプルジャガ玉」   (朗読:松高 玲子さん)


鍋いっぱいに作った怪しいスープからホットドッグまで、読めば幸せ、美味しい日常。極上の食エッセイ です。


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突然、ジャガイモが食べたくなった。

冷蔵庫に、白い芽の出かかったジャガイモが二つある。

さてこれで何を作ろうか。


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今回は松高さんが、阿川佐和子の世界を、軽妙なタッチで表現してくれました。
帰り際一人の方が、「料理を作るシーンが見えてくるようだった!」 とおっしゃってくださいました。嬉しい感想でした。


★松高さんの感想

今回の 「チーム杜の音」 では、阿川さんの食エッセイを読ませて頂きました。
阿川さんの料理の楽しさが、はたして上手く杜の音の皆さんに伝えられたかはわかりませんが、
杜の音の皆さんの笑顔や、読み終えた後に頂く優しいお声掛けに、こちらが元気を頂き
次はどんな朗読をお届けしようかと背中を押して頂けます。また拙いながら参加させて頂きます。ありがとうございました。


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毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、「読む人」 も 「聞く人」 もお互いに楽しめるように、工夫していますが
読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が 「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。


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